2001年5月13日 (日)
エドソン・エリアス ピアノ・リサイタル

二日続きの五月晴れ。昨日の大ホールとは違って今日は我が家でのサロン・コンサート。世界的に著名なアーティストは 今日もまた50名の聴衆を痺れさせた。拍手が鳴り止まずアンコール曲は なんと5曲に及んだ。昼下がりの贅沢な一時、サロンにピアノ旋律がこだました。2001年5月13日(日)午後2時よりサロン・コリーナにて

本日の圧巻はベートーヴェンのソナタ op.57「熱情」だった。さすがベートーヴェンの名手 だけのことはある。目に見えるメロディーの奥にもう一つ目に見えないメロディーが走っている。 そのフレーズの美しさ、今まで色んな人から聞いた曲だが、これほどまでに起伏に富んだ演奏を聞いたことがない。聞き惚れる中に自然と脳裏に浮かんだのは格闘技だった。柔道というか、相撲というか、 エリアスの取組み相手は彼の追い求めて止まない曲イメージだった。土俵ならぬキーの上での目にも止まらぬ早技、 激しいぶつかり合い、巧みにかわす引技、がっぷり組んで動かぬ動き、ぎりぎりのところで残す力などなど。その全体に漲る見事な動きのバランス。エリアスは私に言った。コピー・ピアニストは要らない、クローン・ピアニストは要らない。自ら独創的に曲を解釈できるピアニストこそ本当の ピアニストだと。気取らぬ優しいエドソン・エリアスのその言葉に私は本物を見た。

プログラム
ベートーヴェン: アンダンテ ファヴォリ ヘ長調
ソナタ Op.57 「熱情」
ラヴェル:    水の精
ショパン:    ノクターン 作品27-2
リスト:     超絶技巧練習曲 第10番 ヘ短調 ほか

 ( 日 ) エドソン・エリアス ピアノ・リサイタル