2014年8月21日 (木)
シャンドル・ヤヴォルカイ ヴァイオリンリサイタル ピアノ:林典子
写真 (118)昨日に引き続き今日は二時から林典子さんの伴奏でシャンドル・ヤヴォルカイのヴァイオリンリサイタルをSalon Classicで催した。
人懐っこいシャンドルはすぐにみなのアイドルとなった。大きな体に不似合な小さなヴァイオリン。だからこそ自家薬籠中のものとして彼の一部になっているのだろう。
今日の演奏を画家スーラー張りの点描画で振り返ってみよう。弓が弦に触れて滴ち落ちる点の音で描いたロマンチックな図だ。 エルガーの「愛の挨拶」:音点が一本の赤糸、青糸となり、それが上下に波打ち…ながら挨拶をする。最後は丁寧に頭を垂れた。 クライスラーの「愛の喜び」:黄色と空色が隣合う点描、「愛の悲しみ」:薄紫に栗色が漂う点描、「美しきロスマリン」:ピンクに薄緑の美しい点描。マスネの「タイスの瞑想曲」:グレイに薄ピンクが効いた長い巻き物、祈りを込めて静かに開いていった。静謐。すっかり開き終わったとき、物音一つしなかった。
サラサーテの「カルメンファンタジー」:茶色の硬質なガラス片から変化して、美しいかな文字の草書となり、やがて粉末となってカルタシスを迎えた。「ツイゴイネルワイゼン」:弓も弦も指も目も止まらぬ速さでバイオリン上を小刻みに走り回り、哀愁に咽びながら遠い祖先の故郷に誘ってくれた。モンティのチャールダッシュ:擦って擦って、削って削ってハンガリー魂に磨きを掛ける、最後はか細い、か細い、あるかなしかの音で終わった。一連の演奏からなぜヴァイオリンの音色がかくも人の心を魅了するのか、私なりに合点がいった。
ベートーヴェンの「ロマンス ヘ長調」と、昨日、タルティーニの「悪魔のトリル」は述べたので割愛する。
写真 (119)