2002年5月23日 (木)
ディヴィッド・コレヴァーによるレクチャー/リサイタル

~~~クライスレリアーナ~~~

辺り一面新緑に輝く湘南国際村にお馴染みのコレヴァー先生を迎えレクチャー/リサイタルを催した。題はR.シューマンの「クライスレリアーナ」

2002年5月23日(水) 午前10:30~12:30Salon Collinaにて

今回はいつものように頭から演奏を聴くのでなく、作曲の背景について講義を受けてから演奏を聴いた。曲はロベルト・シューマンの「クライスレリアーナ」、1838年、シューマン28歳のときの作品で、8楽章からなるピアノ曲である。当時、ドイツにはドイツロマン派の小説家であり、音楽家でもあったE.T.A.ホフマンがいた。相当な変わり者だったらしいがその音楽評論は鋭くシューマンは彼に傾倒、共鳴していた。このホフマンの書いた自伝風小説に基を置きシューマンが作曲したのがこの「クライスレリアーナ」である。クライスラーはホフマンの筆名であり、「クライスレリアーナ」は「クライスラーにかんすることども」と言った意味である。ホフマンつまりクライスラーはその自伝風小説でその恋人ジュリアとの叶わぬ恋を語るが、シューマンはそれに自分自身を重ね合わせ、自分、ロベルトとクララの愛を音楽の形で語る。ロベルト・シューマンが熱烈に恋した相手はピアノ教師の娘、クララだったが、クララの父の猛烈な反対に会い、文通もままならなかった。そんな二人が想いを通わせるには音楽しかなかった。ロベルトがクララに寄せる熱い想いを作品「クライスレリアーナ」に託して語ると、クララがそれを弾いてみて、その中に自分を発見して微笑むのだった。小説が音楽と化したのである。

音楽で音を楽しむのは当然だが、その作曲時の作曲者の秘めた想いを知るのも結構おもしろい。それを知った上で聴くと何だか分かったような気になってくる。ホフマンは自分を牡猫に扮し、猫が気ままにやるように文章を途中で切ったり、他の文章を途中で貼りつけたりして、支離滅裂な効果を出しているようだが、シューマンはそれを音楽的にやったらしい。その辺をコレヴァー先生が実演して見せた。このようなことを知りえたのも今回の講義を通じてであった。
私のような素人でも素人は素人なりにこうして知識を積み、名曲に少しでも接近できるのはおもしろく嬉しいことだ。

 ( 木 ) ディヴィッド・コレヴァーによるレクチャー/リサイタル