2002年1月25日 (金)
ミラノスカラ座の一流どころがサロンコリーナにやって来た

トップ・フルーティスト、ダヴィデ・フォルミザーノ  フルート・リサイタル     (ピアノ: ベルリン・フィル フィリップ・モル)

2002年1月25日(金)午後2時~ at Salon Collina

暦の上では大寒を過ぎたばかりだが、ここ湘南国際村にはもう立春が来たような穏やかさ。ダヴィデもフィリップもこぞってコリーナの庭に出て、湘南の海景色を愛で、綺麗な空気を満喫する。ダヴィデ・フォルミザーノは昨夜、東京文化会館で日本デビューを果たしたばかり。その余韻がまだ醒めやらぬ今日、このSalon Collinaで演奏することになった。その栄誉に感謝感激。ここでも昨夜に劣らず、満席となった。

プログラム
J.S.バッハ: ソナタ ロ短調 BWV1030
C.ライネッケ: ソナタ ”ウンディーヌ” 作品167
丸山和範: 日本民話より「鶴の恩返し」 歌とフルート 嶽道優子(ソプラノ)
C.ドビュッシー: シリンクス  小さな羊飼い
P.サラサーテ: ビゼーの”カルメン”よりカルメンファンタジー
アンコール  フォーレのファンタジーほか2曲

私はクラシック音楽が分からない。分からないが、分からないままに自分の耳で聴いた印象を自分の言葉で言い表すのはそれなりに楽しい。そんな中で今日はっきりと気付いたことがある。それは私の中に音楽鑑賞する際のリトマス試験紙があったことだ。「波」がそれだ。大して感動しない音楽は向うの方でうねっている波に過ぎないが、感動した音楽は自分にもろに襲いかかって来る大波だった。自分が波の 外にいるか、中にいるか、それが分かれ道だった。今日、まぎれもなく波の中にいた。フルートの、明るい中にもどこか暗さのある音色。蒸留水のような透明な清水、そこから湧き出る静かな奥深い叫び。それが哀しみを誘う。あのせわしい息遣い、あの細く長い息遣い、草書を見るような美しさ、余韻を残す。フルートの音色に合わせて、鶴が「私が機を織っている間は見ないで」と懇願する。これは「能」舞台のわびさびではないか。場面変わってカルメン、情熱的なフルートとピアノ音、静が動に変わり、美しくサロン空間を舞う。

 ( 金 ) ミラノスカラ座の一流どころがサロンコリーナにやって来た