2014年12月23日 (火)
上田友紀子ピアノリサイタル

今日は「聖夜を前に サロンで聴く」と銘打った上田友紀子さんのピアノリサイタルがSalon Classicであった。それはそれは素晴らしかった。上田さんは今、京都芸大の大学院生だ。今日はバッハ、ベートーヴェン、ドビュッシー、武満 徹、メンデルスゾーン、シューベルトと18、19、20世紀の作曲家を総なめにしたソロ演奏だった。多くの曲を空で上手に弾き分けるだけでも感動ものだったが、その上、プログラム・ノートも自ら達意の文で手掛け用意されたのは立派だった。

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プログラム

バッハ: 平均律クラヴィーア曲集第二巻より 第22番 変ロ短調 BWV891

ベートーヴェン:創作主題による6つの変奏曲 ヘ長調 作品34

ドビュッシー: 映像第1集 Ⅰ.水の反映 Ⅱ.ラモーを讃えて Ⅲ.運動

武満 徹:閉じた眼

メンデルスゾーン: 無言歌集より 変ホ長調 作品67-1  嬰ヘ短調 作品67-2

シューベルト: ピアノ・ソナタ第19番 ハ短調 D958 Ⅰ.Ⅱ.Ⅲ.Ⅳ.

考えてみると不思議なことだ。ヨーロッパという異国の地で2,3百年も前に奏でられた音楽が今、こうして日本で演奏されてその美しさを愛でている。当時のヨーロッパ人と同じ美感覚を現在のわれわれ日本人が持っているのだ。それが不思議でならない。そこまでわれわれが西洋化したのだろうか。今日のプログラム・ノートのメンデルスゾーンの解説箇所に次のような下りがあった。「その音楽活動の出発点はユダヤ系の裕福な家柄だったメンデルスゾーン家が催す、サロンコンサートだった。彼のピアノ曲にはソナタや変奏曲などもあるが、数の上で圧倒的に多かったのがサロン風の雰囲気を持つ「無言歌集」だ。少年時代から馴染んだサロンの親密な空気は、この曲集にも大いに反映されたことだろう。「無言歌」とは文字どおり言葉のない歌、言いかえれば、歌詞こそないけれど、まるで歌のように豊かなメロディーで綴った音楽ということになる。

2,3百年前にこのような音楽をサロンで聴くという贅沢は王侯貴族はじめ裕福な階層に限られていたはずだ。今、こうしてうちのサロンでではあるが、このように聴けるのは大変な贅沢かも知れない。有難いことである。私達夫婦は、この若きメンデルスゾーンのように、これから次世代を担う音楽家を育てて行くことに使命を感じている。