2007年2月3日 (土)
井上昭史&井上真美カップルによるフルートとピアノのデュオ

ー 癒(Healing)愛のエネルギー
2007年2月3日(土)開演2時~     Salon Collina
今日は節分、文字通り福は内にあった。愛をばら撒く天使がSalon Collinaに降りてきてエネルギーをくれた。もっとも外にも鬼はいず舞妓さんのような白化粧 をした富士山が微笑んでいた。観客の多くは自らフルートを演奏する人たちで熱心にその音色を楽しんでいた。

井上昭史(あきふみ)さん プロフィール

フルートをマルセル・モイーズ、ウイリアム・ベネットに師事。トレバー・ワイ フルート教本シリーズを邦訳。’92年より井上真美とのデュオを開始。’98年には、NHK「街道を行く」の音楽を担当。’03年には、NHK大阪の「金曜コンサート」に出演した。

プログラム

クライスラー       愛の哀しみ
平尾貴四男       フリュートとピアノの為の小奏鳴曲
エマヌエル・バッハ   無伴奏ソナタ
ゴーベール       ソナタNo.1
クラシスラー       愛の喜び
ノブロ           アンダンティーノとフィナーレ
シューマン        幻想小曲集 作品73
エルダー         朝の歌など

プログラムの冒頭には真美さんの詩が書かれていた。

愛の哀しみ       真紅のバラは情熱の証し    愛する喜び
愛の喜び        白色バラは純潔の象徴     愛される安らぎ
愛を感じるとき…    花の生命を感じるとき     愛のエネルギーを感じるとき.

その時こそ真に癒される瞬間(とき)この詩はお二人の心境かも知れない。息の合った二人が融け合って音になりみなの上に注いできた。

クライスラーの愛の哀しみ、愛の喜びはヴァイオリンでおなじみの曲だが、フルートではどんな感じがするものか、しばらくフルートの音色のことばかり考えていた。フルートは聴覚よりも触覚を刺激するのではないか。フルートの先から流れ出る音はキンキンとなる音というより頬を撫でる空気か煙、パイプから輪になって舞い上がる紫煙のように感じられた。紫煙は茫洋として哀しく酸っぱい。重たく憂いを含んでもいる。そんな味がフルートにはする。細長くゆったりと上がる煙もあれば忙しなくぱっぱと前に出る太短い煙もある。伸縮自在な煙は宇宙のひものようでもあるし、まろやかな膜に覆われた空気カプセルのようでもある。愛は甘いがそれがそうと分かるのは憂いと酸味を味わってから。フルートのアナログ触覚にピアノのデジタル聴覚が作用してまさに癒しのエネルギーとなった美しい演奏だった。

 

 

 ( 土 ) 井上昭史&井上真美カップルによるフルートとピアノのデュオ