2020年11月6日 (金)
伊藤順一ピアノリサイタル 2020年11月3日(祝、火)

芸術の秋といえどもコロナ禍の下ではもう一つ冴えない。芸術など不要不急の最たるものとして遠ざけられそうな今日のムードだが、こんな時こそ逆に音楽で気分を一掃したいものだ。今日、文化の日、Salon Classicでベートーヴェンがコロナの「悲愴」な思いを耳一つで心の静謐に変えてくれたのだから音楽はありがたい。この曲はベートーヴェン自身が「悲愴」と名付けたらしいが、彼はこのピアノ曲で強靭な思想を表現したかったのだろうか。

伊藤順一のいつもの優美なショパン曲に比べてこれはいささか硬派の部類に感じたが、それだけに本日はこの曲が一番印象に残った。多くの拍手に応えて次から次へとにこやかにアンコール曲を繰り返した伊藤は、コロナのため来年に延期されたショパンコンクール(ポーランド)の本選へ向け今日も練習に余念がなかった。

アンコール曲

ブラームス:間奏曲 op.118-2

プリュードン:昔の物語

ラヴィーナ:初めての告白

ショパン:ワルツ5番