2014年12月28日 (日)
大町 剛(チェロ)&宮崎 剛(ピアノ)年忘れSpecial Concert

IMG_2777IMG_2778IMG_2780IMG_2784

本年最後のSalon Classicでのコンサートが始まりました。大町 剛と宮崎 剛、両剛さんのデュオです。今年は自然災害はじめ多くのことがありました。一足早い除夜の鐘のような祈りの曲から始まりました。ブロッホの「祈り」です。サロンに集まった30名ほどの聴衆が息を合わせたように一斉にしっとりと落ち着いた静かなチェロの音色に耳を傾けます。そんな中、ピアノがバ、バーンと大きな楔を打ち込みます。コンサートホールでは味わえない小振りのサロンの良さです。他人の聞こえない息吹きが聞こえます。そこに一体感が生まれます。次はショパンのバラード第1番作品23、宮崎さんのピアノソロです。若きショパンが祖国ポーランドを思いに思って書き上げた作品です。宮崎さんの時にうっとりした、また時に真剣な眼差しで弾く向こうに、また黒塗りの音の響きの向こうに、ポーランドの地が現れました。私まで遠くポーランドの地に思いを馳せ偲びました。今度はショパンのノクターン。膨らみのある音色に眠り入りそうになった私、寂しく哀調を帯びた音が静かに尾を引きます。そんな夜を想わすチェロの音色が続きます。

調子が変わって次はサン・サーンスの白鳥。澄明な音に埋没したような両剛さんのうっとりした表情。こちらまでその音色とメロディに酔いしれました。次はショパンの序奏と華麗なるポロネーズ作品3.この曲はチェロとピアノのために作曲されたもの。降り注いでくる音のシャワーにまったりした味を感じつつ耳を澄ましました。休憩を挟んで、後半は日本のうたのメドレー。曲名を予め明かされずに始まりましたが、私だってこのぐらいは解る。荒城の月、月の砂漠、夕焼け小焼けでした。チェロはこれらの曲によくマッチした楽器と紹介されましたが、逆にこれでチェロがどんな楽器か解りました。次に映画音楽メドレー。イタリアのモリー・コーネンのディナーとか。私には全然知らない人、曲でした。ここで突如、登場したのがクラリネットの井上春緒さん。狭い客席を縫って、クラリネットの少しくぐもった音色でチャールダッシュを独奏してくれました。しょっちゅうヴァイオリンで聴く曲ですがクラリネットでは初物、なかなかいい、ほんとに嬉しくなりました。

次はピアソラのリベルタンゴ。私の大好きな曲。両剛さんのチェロとピアノだけと思いきや飛び入りの井上春緒さんのクラリネットが入って大いに盛り上がりました。もう最高。明るく飛び上がりそうになる曲ですが、一本どこかに哀愁線が引かれている。アルゼンチンの自由なタンゴとまでは想像つくが、南米の空気を思わすこの曲のよさをどう表現したらよいのやら。次は両剛による中国の競馬を意図した「馬」の演奏。今日は第59回有馬記念とか。それに因んで中国の競馬を題材にした。その最後にいななく馬の声、ヒイヒヒーン。

これからは恒例の宮崎節。レクエストに応じ臨機応変に弾くピアノ芸当。今日はよく覚えていないが、ドビュッシーの亜麻色の髪の乙女や鐘、エリーゼのために、赤い花などだった。盛り沢山な今日のプログラムだったが、そこには音楽というものを楽める綿密な計算があったのだと思う。どうか来年もよろしくお願いしたいもの。