2017年5月28日 (日)
太田キシュ道子ピアノリサイタル

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今日(2017.5.28)は太田キシュ道子のピアノリサイタルがSalon Classicであった。今日は頭が音楽的になったというよりも文学的になった。

ショパンのバラードから。バラードとは物語風の詩だ、

第一番…中世、十字軍に破られたリトアニア、一人の少年が十字軍に連れ去られ、そこで長じて軍司令官になった。彼はわざと誤った指令を出し十字軍を崩壊に導き、リトアニアを救った。しかし彼は自らの命を絶った…。

第二番…星の光が湖面に映る静かな夜、若いポーランド娘たちは、征服者のロシア人に辱められるよりもと、突然、足元にわずかに裂けた地中へと身を投げた…。

第三番…男の変わらぬ愛を信じない少女は「水の精」となって、青年を誘惑し、水底深く引きずり込み、決して捕まりっこのない水の精を追わした…。

第四番…三人の兄弟は父の命を受けて最高の財宝を見付けるため旅に出た。秋が過ぎ、冬が到来したが帰ってこない。父は戦争で死んだものと諦めた。そこに三人の息子が吹雪の中、それぞれの許嫁を連れて戻ってきた…。

次はブラームスのラプソディ。

このラプソディという言葉が好きだ。意味は狂詩曲。リズ・テイラーの映画を思い出すからだ。

ベルチャッハはアルプスの山々に囲まれた風光明媚な地。そこには沢山の旋律が飛び交いっていた。それらを踏まないようにしなければと、ブラームスはクララ・シューマンにいう…。

最後にリストによるシューベルト歌曲のピアノ曲への編曲。

「美しき水車小屋の娘」…小川が水車にいう「そして愛が苦しみから解放されれば、星が、新しい星が天に瞬きます。バラが、紅く、半ば白く、もはや枯れることのないバラが咲きます…」水車がいう「小川よ、愛する小川よ、そうやってひたむきに歌っていてくれ」と。

「水の上で歌う」…きらめく波の光の中を白鳥のように小舟が滑って行く。魂もまた小舟のように。夕映えが大空から波の上に降り注いで…。

「影法師」…静かな夜、町は眠っている。家には恋人が暮らしていたが、去って行ってしまった。そこに一人の男が立ち、空をみつめながらもがき苦しんでいる。月が照らした顔はなんと己の顔。影法師よ、青ざめた仲間よ…。

「アトラス」…僕は不幸なアトラスだ。世界を、苦しみに満ちた世界をすべて僕は背負っていかなければならないのだ…。