2010年3月6日 (土)
奥田なな子(チェロ)&ゴウ芽里沙(ピアノ)デュオリサイタル


 Salon Collina

残念ながら今日は雨。 曇よりした空からシトシトと雨が降っている。それだけにホールの中は暖かい。ほのぼのとして部屋で、今日は遙々、ベルリンから一時帰国中の若い音楽留学生二人によるチェロとピアノの演奏に聴き入った。

【プログラム】
ベートーヴェン:ピアノとチェロのためのソナタOp.69 イ長調
シューマン:  アダージョとアレグロ
バッハ:    チェロのための無伴奏組曲 第3番よりプレリュード
ショパン:   ピアノソナタ Op.58 第3番より 第1楽章
ブラームス:  六つのうた
ポッパー:   ハンガリアンラプソディ

なな子さんの弾くチェロ器がチョコレート色やアズキ色をしているせいか、 音色までそのように見えてきた。アズキ色の深みと光沢ある円やかな甘味、ドルチェ、キラッと白く輝くブリリアントな閃光がチェロの魅力だ。それを支える ような、覆いかぶさるような芽里沙さんの黒曜石色したピアノ音、それらが 細く太く線を描き、曲全体の輪郭にアクセントをつける。マチスの「ダンス」の 絵を見ているようだ。今年はショパンやシューマンの生誕から200年と聞く。横浜開港が150年前 だから、さほど昔の話ではない。私の曾祖父がまだ生きていた時代だ。19世紀は音楽史ではロマン派時代というらしいが、どう考えてもあまりロマン ティックな時代とは思われない。産業革命が起こってみな現実的になり、列強 間の争いも日増しに熾烈となって、今日同様、世相はめまぐるしかったはず。 こんな時代だからこそ、現実逃避のために生れたのがロマンティック音楽だ。 今日はそんなことを思いながら、若い二人の真剣な演奏に耳を傾けた。

 

 ( 土 ) 奥田なな子(チェロ)&ゴウ芽里沙(ピアノ)デュオリサイタル