2017年7月17日 (月)
室内楽の愉しみ 一音の世界

「風の音にぞ驚かれぬる」とでもいうのだろうか。わざとらしさのない、どこからともなく吹いてくる風、ヴァイオリンとコントラバスとピアノが渾然一体の一陣の風となって鼓膜を揺する、その優しさの中の微妙な変化に小躍りした。スーと入ってスーと抜けて行く、その自然さ、芸術の粋の粋を味わった気分になった。

今日は河村典子さん(Vn)、白土文雄さん(Kb)、久保美緒さん(Pf)のトリオによる「室内楽の愉しみ2017 一音の世界」のコンサートがSalon Classicであった。

なるほどよく考え練られた標題である。楽器を奏でるのではない、音を奏でるのだ。その意のあるところが解った気分になった。もう一つ、プログラム解説がよかった。何かから引用したらしい痕跡が一切ない。聴衆の身になってというか、音楽の専門用語を一切使うことなく、解説者独自の感性でそれぞれの曲印象を短文で非常に要領よく詩的にまとめられていた。音楽の聴き方はこれでなくては、と強く思った。

一言ずつ演奏者をご紹介すると、河村さんは1979年以来チューリッヒ在住、白土さんはジュネーブ国際音楽コンクール審査員、久保さんはチェコ、ドイツ、ロシアで勉強された。この三人が一つに磨き上げた音だった。

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