2016年11月8日 (火)
日本・ベルギー合同演奏会、奈良秋篠音楽堂

アンサンブル・メンデルスゾーンの昨夜の公演は奈良大和西大寺の秋篠音楽堂であった。もう福岡、京都、神戸、大阪、奈良が終わり、残るは明日からの東京、横浜だけとなった。

秋篠音楽堂は造りがよい。お蔭で多くの観客に来ていただいた。フランクの甘酸っぱいヴァイオリンソナタに始まり、次に勇壮なリズムで青い情熱が迸るドヴォルザークのスラヴ舞曲、浦瀬奈那子とヘールツ高橋康子の連弾が続いた。その調べはいまも耳に残っている。次はモーツァルトのピアノ四重奏曲。松川暉のヴァイオリンが冴え芳醇な香りを放ち、どこか秋篠寺の風情を感じた。次のソプラノ歌唱では山本昌代の「からたちの花」が美しい日本語の情感を西洋的メロディに乗せて美しく伝え、続く渡邉栄子が自作のマスクを着けてヨハン・シュトラウスの「こうもり」よりロザリンデのアリアを歌った。カスタネットを打ち鳴らし舞台で舞う姿はオペレッタそのもの、今日の公演に大きな色を添えた。最後はアンサンブル・メンデルスゾーンによるモーツァルトのピアノ五重奏曲、もうこれには昨夜すっかり陶酔してしまった。モーツァルト自身、この曲が1784年の初演で拍手大喝采を浴びたと満足そうに父親に報告しているが、私も大喝采した。全身耳にして聴きその丸みをどのように表現しようかと演奏中ずっと考えていたが、それは大きな赤い葡萄の房のようでもあり、熟して中身が流れ出そうな柔らかい柿のようでもあった。

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