2017年2月26日 (日)
梯剛之ピアノリサイタル

今日(2/26)は2時からSalon Classicで盲目のピアニスト、梯剛之氏のリサイタルがあった。外は未だ寒いが、内は熱い一日だった。剛之氏を追って遠くは東京、小田原、岐阜、岡山からここ芦屋にやって来たファン・クラブの人たち、それに近隣の人たちら約50名の百の瞳が、茶褐色のニューヨークスタインウエィの前に座る黒装束のピアノ名手、梯剛之に一斉に注がれる。立ち上がって曲説明をする同氏。サロン全体を暗くしてこの部分だけにスポットを当てると、客席の前にぼっと大きな幻想が立ち現われた想いがした。そこから発せられるピアノ音は向こうの方で鳴る音ではなく身にもろに降りかかってくる音の詩であった。

プログラムはモーツァルトの幻想曲ニ短調、ソナタニ長調、ショパンのノクターン第2番、休憩、ドビュッシーの二つのアラベスク、ベルクのソナタOp.1、ショパンのスケルツォ第2番。これらの味を私なりに一言づつで表わしてみよう。

モーツアルトの曲は優しくまろやかで口あたりがよく口の中が春らんまんになった。次にショパンのノクターン、酸味も甘味も効いて絶妙の味。ドビュッシーのアラベスク、仄かな甘み、しこしこと歯触りが新鮮。ベルク、苦みの中に独特の香りがありコクがあった。今日の中で二番目に好きな曲だった。最後はショパンのスケルツォ第2番。フルーティな風味があり、とろけるようで一番好きな曲だった。アンコールにショパンの「遺作」とノクターン第8番。いずれも梯の真骨頂が顕れていた。

終演後、20名ほどのファンクラブの人たちが剛之氏を囲み談笑。剛之氏もよく喋りよく笑った。本当にファンは有り難いもの、どこまでも追っ掛けてくるその熱意に人は動かされるのだと痛感した。

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