2017年6月23日 (金)
西川悟平の世界

昨日と今日(6/21、22)、Salon Classicでニューヨーク在住の西川悟平君のコンサートとトークショーがあった。

その演奏も勿論素晴らしかったが、それは今回は割愛して、トークの内容にふれることにする。

アメリカンドリームを果たした日本人、西川悟平

大阪の堺で和菓子屋の売り子をしていた24歳の青年が、ある日、ニューヨークカーネギー大ホールの3200名の聴衆の前でピアノの独演会を開いて大喝采を浴びた。そうかと思うと、300年前、ジョージ・ワシントンが住んだというニューヨーク市長公邸に招かれて演説と演奏、それが日本に伝わると、今度は日本武道館で一万5000人の前で演奏、今秋はあの世界的富豪のロスチャイルド家の主催でロンドンデビュー、当日はイギリスのロイヤルファミリーも出席されるという。また2020年のオリンピック、パランピックの開会式でピアノを弾く野望を持つ。

この青年も今や42歳となり、昨日と今日、Salon Classicでコンサートとトークショーを開いた、きっかけはわれわれ夫婦が訪日中のThe Music Center, New Yorkのディレクターたち、故ディヴィッド・ブラッドショウとコズモ・ブオーノ氏を同君に紹介したこと、もう20年も前のことだ。ピアノを始めたのが15歳のとき、音楽高校も音楽大学も一切関係ない。

ピアノが好きで同ディレクターたちの前で弾いたところ、ジュリアード出身の巨匠が「見どころ」があると同君をニューヨークに誘った。逡巡したが、こんなチャンスは二度と来ないと一大決心、1999年ついにアメリカに渡った。英語は全然話せなかった。しかし、18年が経った今はバイリンガルの腕前、国連で英語と日本語で司会した。

この青年を見届けてきたわれわれ夫婦、本人以上にその快挙を喜んだ。同君のニューヨークにおける生活も垣間見てきた。その快挙の裏には並々ならぬ努力もあったが、持ち前の明るさと人間愛が幸運を呼び寄せた。

それに何でもみなと同じ行動を好む農耕型日本人の中にあって、独り、狩猟型を好む好奇心旺盛な男だった。二人組みの泥棒に入られて戦々恐々しながら、「話してもいいか」と言って、相手からその身の上話を聞き、ピアノを弾いてホロリとさせ、その泥棒殿を後日カーネギーホールに正式招待した話やホームレスの人間に真新しい着物を恵んで、後日、忘れた頃に立ち直った彼から改めて感謝された話とか、話は尽きなかった。

彼には一冊の本がある。「七本指のピアニスト」だ。ニューヨークの紀伊国屋書店のベストセラーになった。ピアノを弾きまくってジストニアになり、やっと今、七本指を動かせるようになった。聞くも涙の物語だった。
オバマ大統領に会ったり、ローマ法皇に会ったり、あり得ないことばかりやってきた、こんな変わった日本人、同時に、
英語を現地人並みに流暢に喋り、社会に寄付という形で恩返しするアメリカ人魂を心底から体現した悟平君に惜しみない拍手を贈りたい。

16218cdc61fb7a1fdfd00e034ab2595d[1]

IMG_2080IMG_2066IMG_2078IMG_2069IMG_2071 IMG_2073