2015年10月6日 (火)
2015年10月4日 ヤヴォルカイ兄弟リサイタル

IMG_0406IMG_0409 (1)ヤヴォルカイ兄弟の演奏について小出しに触れよう。ジョイントの模様や霜浦陽子とのトリオについては追々述べるとして今は次をもって総論とする。

ヤヴォルカイ兄弟の演奏についてはごたごたと書き連ねるよりも、アンコール曲の一つとして弾いたお馴染みの『ツィゴイネルワイゼン』一つを取り上げればもう十分だろう。ご存知の通り、これはスペイン生まれのヴァイオリニスト、サラサーテが1878年(筆者の祖父の2歳の時だ)に作曲した、非常に派手で劇的なヴァイオリン曲である。題名は「ジプシー(ロマ)の旋律」という意味だ。いくつかのハンガリー民謡・大衆音楽の旋律を組み合わせて作曲したものだから、この曲をハンガリーロマ出身のヤヴォルカイ兄弟以外のだれが本物中の本物の演奏ができるだろう。  それをこのSalon Classicの小さな空間でライブで聴くのだから昨日の午後は至福の中でも最高の至福を味わった。 哀愁(まさに秋の心)に満ちた悲しげながらも堂々とした旋律。起伏に富み抒情的で、激情的な部分もあれば、歌謡的な部分もある、これでは見せ場というより聴かせ場に事欠かない。拍子のことなど筆者には十分分からないが、緩いテンポからいきなり急速なテンポとなったり遅くなったりすると何だかブランコに乗ってスゥッと落ちる気分になりスリル満点だ。それに右手指、左手指で爪弾く弦音の心地よさってない。ヴァイオリンの弓が垂直とすればチェロのそれは水平でいつも横T字型になっている演奏に見入っていた。