2017年11月12日 (日)
武岡 徹コンサートシリーズ Vol.4

八十路を超えてなお矍鑠とロマンに生きる御仁、本日Salon Classicで歌ったその柔らかで清らかな声には凜とした正調が波打つ。口という暗い内部から外に閃光となって迸り出る男の美声。うっとりと聞き惚れた。主は地元、芦屋高校で長く音楽の教鞭をとった武岡徹先生。ピアノ伴奏は、登士子夫人。

シューマンやR.シュトラウス、あるいはメンデルスゾーンのドイツ歌曲を、紙片一つももたず諳んじて、大入り満員の聴衆の前で、原語で歌った。それだけでも素晴らしいと感じ入ったが、それら歌曲がゲーテやハイネらの詩に基づいていると知って一層感心した。なぜならこれらの詩を芯から解さずして歌えるはずがない。添付プログラムの訳詩をとくとご覧あれ。ドイツ歌曲の詩情が自分にも乗り移ったような気がした。デジタルやコンピュータに汚染された現代に19世紀が謳う天然の美はあまりにも美し過ぎる。19世紀の喜怒哀楽は21世紀のそれとは質が違うと甚く感動した。

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