2020年10月5日 (月)
2020年10月3日、4日のリサイタル

2020年10月3日(土)、4日(日)の両日、日本音楽コンクール、チェロの部で5指に入り今月27日の本選に臨む広田勇樹君と昨年末の第4回日本ショパン・コンクールで優勝した伊藤順一君の二人をSalon Classicに招きデュオ・リサイタルとジョイント・リサイタルを催した。ジョイントに参加した各人の印象は割愛するが、演奏順に写真を一枚ずつ載せる。なお、広田・伊藤両君の演奏印象は聴いている最中にメモそのままを掲げる。

弾力性のある音、甘だるい音。太く力強く艶のある音色。詩情溢れるゆっくりしたテンポ、バリトン調のチェロ。チェロが子音ならピアノは母音。チェリストの表情に見る夢心地。色は銅色。夢想の中で彩られた秩序ある混迷。バッハのチェロ独奏、ピカソが描いたような焦茶の太線の螺旋がキャンバス上で踊る。腹に響くような弾力性のある低音。いささか無機質。押し出し十分な重力に富んだ銃砲。静かで穏やかな音に変化。か細くはない。ポエジーな深遠な世界が地中から開けてくる。そこへ向かって降りていく、チェロとピアノが硬質な会話。弦を捌く劇音と丸みのあるピアノ音の会話。物悲しくも雄渾な調べ。腹に響き胸を打ち頭を貫くチェロの迫力音。DUOの名に恥じないチェロとピアノのバランスの取れた演奏。硬質な演奏。チェロならではの低音の魅力。