2011年3月12日 (土)
Salon Classic 落成記念コンサート

今日は私達夫婦にとって生涯忘れられない日となった。The Music Center Japanのもう一つのモニュメント、Salon Classic が芦屋に落成し、こけら落し記念コンサートを開けたからだが、もう一つ、その前日にあの忌まわしい東北大震災が起ったからだ。 この大混乱の中、われわれのために大苦労して東京を脱出し、ここに 駆け参じてくれた、ヴァイオリニストの漆原啓子さんと松本和将さん(ブゾーニやエリザベート王妃国際ピアノコンクールで上位入賞)に はいくら感謝してもし切れない。そのプロ精神に脱帽する。前夜ほとんど眠らず西下して昼・夜二回も演奏してくれたのだった。
クラシック音楽の振興や普及、教育に携わってきた私たちだが、家内と違って私自身がこれに興味を持ち出したのは定年以後。 自宅に音楽ホールを作って生演奏を聴き始めてからである。 そんな私にもう一つこのような音楽ホールが増えた。この機会に私がどんな風にクラシック音楽を愛で始めたかを記しておこう。音楽を聴くときの私の心構えはこの音楽からどんな絵画的イメージが脳裏に浮かぶか、それを待つことである。音楽はよく言葉に出来ないといわれるが、岡田暁生著「音楽の聴き方」(中公新書2009)P210にもあるように、「音楽を言葉にすることを躊躇しない。そのためにも音楽を語る語彙を知ること、音楽を聴くことと同じくらい面白い」それには演奏者の姿も大いに関係する。だからCDでは物足りない。演奏者の演奏振りを凝視しながら自然に湧いてくる絵画的イメージを追い、忘れないうちにその場でメモをする。今日の演奏から何をイメージしたか。幻想的な音楽を聴いていると、 新鮮な魚が脳裏に浮かび上がってきた。あの鯖の腹の辺りの白肌の中に淡くしかし燦然と輝く赤、青、黄、金、銀の光沢は筆舌に尽しがたい。海中で受けた七色の光線が身体に印刻されるのだろうか。この自然の造化を音楽では作曲家や演奏家が創造するのだ。それは何と美しい営為、作業であることか。

 

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 ( 土 ) Salon Classic 落成記念コンサート