2014年9月9日 (火)
The Autumn Joint Recital ーーパリ国立高等音楽院イヴ・アンリ教授を迎えてーー

2014年9月8日(月)18:00開演 Salon Classicにて

本日は非常に充実した音楽会だった。客演として迎えたイヴ・アンリ教授がフランス政府から二つの文化勲章を受章した類稀なピアニストであることはもちろんだが、同時に出演した大橋美帆さん、伊東くみさん、冨樫三起子さんの演奏も素晴らしかった。音楽の表現力というのか、音を通じて絵画を、詩を、バレエを今日ほど彷彿とさせられてことはない。

伊東くみさんのピアノ、「リストのラ・カンパネラ」や「ドビュッシーの喜びの島」が私の心の中で絵となって迫り、大橋美帆さんのピアノ、K.シマノフスキーの「メトープ三つの詩Op.29」、が私の心の中でギリシャ神話のオディッセイ物語となって響き、そして冨樫三起子さんの「プロコフィエフのバレエ「ロメオとジュリエット」」のピアノが私の心の中でバレエの舞台となった。耳や脳を打つ音があたかも床を踏むバレエダンサーのタップの音となって聞こえた。私の油彩、「南葉山の海」を横目にしながら「ドビュッシーの「水の反映」を弾いてくださったとか。

客演のイヴ・アンリは私の大好きなピアニストで、彼のピアノを聴くたび「音楽性」とは何かを考えさせてくれる。今日もシューベルト、ショパン、リスト、ラフマニノフ、それに自ら編曲したポール・デユカス:交響詩『魔法使いの弟子』を聴かせてくれた。同じホールのピアノを使いながら、どうしてかくも音が違うのか。かれの奏でるピアノは一つ一つの音が磨き抜かれ、光輝く数珠玉となって滴り落ちる。それが時に束となってフィナーレの花火のようにダイナミックなエクスタシーを感じさせてくれる。

終演後近くのレストランで一緒に食事をしながら、われわれのゲストブックに一言書き入れてくれた。フランス語だからよく分からないが、彼の編曲した交響詩『魔法使いの弟子』のCDを来秋出す時には私の油彩「楽の音」をそのカバーに使ってくれるそうだ。78歳のこの年寄りに音楽はまたとない世界に誘ってくれる。

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