2016年9月21日 (水)
The Autumn Joint Recital 客演にイヴ・アンリ教授を迎えて

(9/20、9p.m.)先ほどイヴ・アンリと芦屋川駅で別れました。来年はここでなくノアンで会おうと約して。今日は彼を客演にジョイント・リサイタルを開きました。どの出演者もレベルが高く、その素晴らしさを高く評価しながらも音楽評論家でもない私には個々に論じることはできません。ただ客演で弾いたイヴ・アンリの素晴らしさをここでもう一度語りたいと思います。

私の音楽の聴き方は絵画の見方に通じ、小説を読むに等しいのです。絵画には構図があります。どんよりした今日のような曇天の向こうに明るい青空が覗き、明日への希望を抱かせる光の一群がカンバスの上方に現われるように、ピアノが沈んだ音の中から突然澄んだ明るい音群を響かせます。彼はまたピアノによるストーリーテラーと言いますか、物語のナレーターです。小説には出だしがあり山場があります。彼は落ち着いた、しっとりした口調で聴く者の胸に迫るように話を静かに進めて行きます。一本調子では全くなく、また息をつかせないせっかちさも見せません。余裕の間を充分に取りながら、味のある声でまろやかにゆっくりと小声で語ることもあれば、怒気を含むような大声で話すこともある。寂しい孤独な音が途中で一つなることもある。その一音に万感を感じ、そのメリハリに酔うこともありました。日本の巻紙のように時間とともにただ単に単調に流されるのではなく、私は一つのカンバスの構図を眺めるように、また小説の浮き沈みを探るように音のハーモニーと強弱を心行くまで味わうのでした。

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