2017年7月31日 (月)
The Summer Joint Recital 客演 ベルギーよりニコラ・デルタイユ(チェロ)を迎えて

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昨晩のsalon ClassicにおけるThe Summer Joint Recital はチェロのニコラ・デルタイユ、ヴァイオリンの東城彩香、ピアノの上田友紀子による室内楽で非常に楽しめた。素晴らしい三人の演奏をかくも身近で聴けるとは実に贅沢なことだ。

ヴァイオリンが一際高く存在感を示すとさすがのチェロも今晩ばかりは少しおとなしの構えだ。曲はシューベルトのピアノ三重奏曲第1番変ロ長調D898。リサイタル後半のプログラムだが、前半も面白かった。

ピアノの上田が武満徹の「雨の樹、素描」とドビュッシーの『版画』より「雨の庭」を弾いた。またヴァイオリンの東城とピアノの上田がスメタナの「我が故郷より」ト短調を奏でたが、「故郷」と聞くとわれわれ日本人は反射的に「兎追いし彼の山」を思い出さずにはおられない。

この「雨」と「故郷」で思わず日本人論が私の頭をかすめた。 武満の雨がウエットとするとドビュッシーの雨はあまりにもドライだ。日本人は虫の声にも心動かすウエットな国民だが、他の国民にとって虫の声など騒音に過ぎないというから、雨の音もそうなるのかも知れない。

またどの民族にとっても「故郷」とは哀愁を帯びたものだろうが、モラヴィア人の哀愁と日本人の哀愁とは異質のようだ。共通する部分もあるにはあっても断然異質の部分の方が大きいのではないか。クラシックの曲解説などで「哀愁を帯びている」とよく書かれているため、その気になって聴いても少しも哀愁が湧かない、感じないのはそれが日本人の哀愁とは違うからだろう。