2016年8月8日 (月)
The Summer Joint Recital 客演:ベルギーよりのニコラ・デルタイユ

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古田昌子さんが観音様ならその右の森上芙美子さんはアヴェマリアだ。

今日(8/7)から立秋とはいえ外の暑さといったらない。しかしSalon Classic内は涼しい。ベルギーから来日のニコラ・デルタイユ(チェロ)を客演に迎えて今日は昼と夜、二回のジョイント・コンサートを開いた。今年はベルギーと日本が友好関係を樹立してから150年になる。この11月にはそれを記念してメンデルスゾーン・アンサンブルによるコンサートがThe Music Center Japan主催で関東、関西、九州で行なわれるが、それに先んじて、そのアンサンブルメンバーの一人でもあるニコラが美しいチェロの音色を響かせた。

その模様をざっとお知らせしよう。

昼の部(14:00から)

最初の演奏者ははるばる鳥取から駆けつけてくれた中一の岩間澄怜さん(ピアノ)、ショパン国際ピアノコンクールin Asiaの地区大会で金賞を取っただけあって、弾くハンガリー狂詩曲にはしんみりと聞かす情感に溢れていた。

二番目は森上芙美子さん。国立モスクワ音楽院大学院を修了し、京都市交響楽団と共演されるだけあってその演奏の流麗感はすごい。曲はショパンの即興曲、ノクターン、エチュードなどで、これがロシアピアニズムというものなのだろうと感心した。

次にニコラのチェロ演奏が続いたが、このコメントは夜の部と一緒にしよう。

最後は古田昌子さんのメゾ・ソプラノ、鎌田史子さんの伴奏で、「浜辺の歌」「初恋」「しぐれに寄する抒情」それからグルックの歌劇“オルフェオとエウリディーチェ”から「エウリディーチェを失って」とサン=サーンスの歌劇“サムソンとデリラ”より二曲、「あなたの声にわが心は開く」と「愛よ!か弱いわたしに力を貸して!」だった。

もうこれは圧巻そのものだった。堂々とした舞台度胸と低音で彼女の存在感を聴衆に強く印象づけた。イタリア・ミラノで勉強し、A.カタラーニ国際コンクール現代オペラ部門で第2位受賞、現在はドイツ・ドレスデンに居を移し、ザクセン州立歌劇場の合唱団に所属しているそうだから舞台慣れをしているのは当たり前だろう。

私を印象づけたのは歌っている時の顔の表情。大げさなジェスチャーは一切なく、常に両腕を体の両脇に付けたまま、顔の表情だけで歌を歌い上げる。歌う直前の表情にこれから歌う心の魂が乗り移つり、歌い出すと没我の境に入り陶酔している、思わず観音さまを想像した。音を観るとはこのことだと悟った。まさに古田昌子は観音様そのものの表情をしていた。