2015年4月3日 (金)
今月のエッセー「ラジウムの話」

ラジウムの話

 

最近、一番嫌なことは、何かにつけ、もうこれは加齢のせい、上手に付き合っていくしかないと医者などからぬけぬけと言われることだ。たとえば、耳が少し遠くなりはじめても、目が少々見えなくなりはじめてもだ。本当にそうなの、何とかできないのと言いたくなる。その一方、この果汁は何々病によく効くとか、アンチエージングや老化防止に断然効くよなどといわれると、まず疑ってかかる癖がついてしまった。嘘でないまでもそのような果汁がそこそこ効果を発揮するにはそれ相当の期間、毎日一定量を飲まなければならないから自ずと費用も掛かるし、挙句、結果がさほど顕著でなければ費用対効果上採算が取れない。

ところが今日は、岩石から採取したラジウムを粉末にし、それを液状やゼリー状にしたものを手指の皮膚につけると、瞬時にしてその効果が現われたので驚くとともにそれに興味をもった。平素から地球の生い立ちや生命の出現に関心を持つ私としては、原始地球のマグマが冷却してできた岩石にラジウムなどの原初的エネルギーが含まれていても何の不思議もないと思っているから素直に納得できた。

しかし、私は理工系の人間ではないから科学や化学の話を聞いても理解できない。ただ、植物、つまり生命の発生より鉱物の発生の方が先だろうから、果汁などより岩石に見られるラジウムの方がより大きなエネルギーを宿していると思っている。

ところでラジウムと聞いても、キュリー夫人が120年ほど前に発見したものという程度の知識しかない。そこで私なりに少し知らべてみると、これは非常に不安定な元素らしい。不安定な元素は、なんとかして安定した形になろうとする。最初はウラン。それがラジウムとなり、次にラドンとなり最終的に鉛となって安定する。そしてラドンから鉛になるまでに1600年以上かかるというからラドンはいわば無限にある。

問題はラジウムが姿を変えてラドンという気体になるときだ。このラドンという気体を、ラジウム温泉で浴室や温泉の中で吸うと、それが体内に(血液中に)入り、抜群の効果を発揮するものらしい。ラジウムの豊富な温泉が三朝温泉であり玉川温泉だ。これで今日の薬剤的化粧品の正体がつかめた。つまりこのラドンの液状、ゼリー状のものだったのだ。

われわれは放射能とか放射線と聞くと非常に恐ろしいものと考えがちだが、自然界には自然と存在しているものだし、それは人間にとって必要なものであり、また人間自身も微量ながらそれを放射している。危険なのは必要量を超えることである。

私は数年前に前立腺ガンを患い、放射線治療を受けたが、その時、一日一回、ピンポイントでがん細胞部分に放射線を一分足らず浴びた。それを39回39日繰り返したが、なぜそんな半端な数字なのかと聞くと、ある一定量の放射線を39回に分けて当てるのが最も効果的と試行錯誤で解ったからとのことだった。

ラジウムのガンマー線というのは0.014ミリミクロン(1億4千万分の1ミリ)という超超短波の電磁性波動で、物質を透過する力が非常に強く、レントゲン線でも透過できない金属質も容易に透し、人体組織においては20センチ以上も深部へ照射できるとある。なるほどそれで解った。ラジウムの偉大な治病力は、実にこの驚くべき超短波の電磁性放射線の力を医学的に利用したものだったのだ。

私は平素から人工の薬は信用しないことにしている。つい先ほど生まれたばかりの人間がさっき作った薬など、億万年単位で自然精製され、今日まで続いている自然薬に比べると副作用が強くて危なかしいからだ。たまたまここまで書いて今日の新聞を手に取ると、高齢者に副作用の大きい薬は使用制限するとある。当然のことと受け止めると同時に、いよいよ自然治癒力を信じて疑わなくなってきた。ただ何事によらず、特に放射線関係においては色々なデマも蔓延っているようだから要注意であることには変わりない。

(2015.4.2)