2015年9月24日 (木)
楽器演奏と語学と将棋

妙な取り合わせの題目だが私には大いに共通点がある。脳の開発においてである。ピアノがちょろっと弾ける、英語がちょっと話せる、将棋の指し方ぐらいは知っている。この初心者に対しベテランのピアニストはリストのラ・カンパネラを10本の指で分速1千8百回打鍵する、アメリカの米語放送は分速300語以上で話す、将棋名人の頭の中は分からないがおそらくもの凄い速さで回転しているのだろう。雨がポロポロと降ってくるのと土砂降りの違いぐらいはあるだろう。

将棋の名人、米長邦雄は、何事も一万時間かければ、とりあえず何事もものになるという。また、「ピアニストの脳を科学する、超絶技法のメカニズム」の著者、古屋晋一も一万時間の価値を説く。3,4歳からピアノを始め、ある時点から日に3時間やれば一年で1千時間、10年で約1万時間になるから20歳までには大成するという。

また、フランスの音声医学学者のアルフレッド・トマティス博士はその書、「人間はみな語学の天才である」で母語以外の言語の習得は40歳を過ぎてからは無理と言われるが、根拠なし、90歳まで可能だ、しかしみな長続きせず途中で止めてしまうのだという。

これらのことから解ることは楽器も語学も将棋もみな脳の神経細胞やそのネットワークを発達させることだ。歳が若ければ若いほど神経細胞やそのネットワークの発達は早いが、それでも一万時間は必要だという。それはそうだろう。そう簡単に細胞やそのネットワークができるわけがない。1の可能性を実現するには、0,00001を1万時間で掛けければよい。しかし、一般には0.00で1がかすめなければもう0扱いしてしまうから実現しないのだ。

私はラジオの米語放送(昔のFEN、今のAFN)を脳もいよいよ固くなった51歳から始めて今日に至り、とっくに一万時間を越えている。お蔭で少し耳を澄ますだけで放送の大意はだいたい理解できるようになった。おまけに日本語と違い欧米語には独特のリズムがあり子音に富んでいるから、洋楽器を欧米人に似た感触で聴けていると思う。

脳細胞やそのネットワークの開発はその必要エリアだけでなく、その周辺エリアもある程度揺り動かせているに違いない。今まで未使用だった脳エリアをいくつになっても使うことは若さの秘訣であり、また何事も「継続は力なり」の秘密はこの神経細胞とそのネットワークの発達こ他ならないと確信している。